バルカン半島は古代から西方(ローマ帝国)、南方(オスマン帝国)、北方(オーストリア)、東方(ロシア)からの侵攻を受けてきた戦乱の絶えない地域で、ヨーロッパの火薬庫とまで呼ばれていました。 20世紀初頭においては、第1次・第2次バルカン戦争が発生し、1914年にはいわゆるサラエボ事件が起こり、第1次世界大戦の引き金になりました。
第2次世界大戦後はソビエト連邦の影響下に置かれ、各国は王制を廃止し、共和制国家となりました。 冷戦時代はソビエト連邦の衛星国としての位置づけとされましたが、その後、旧ユーゴスラビア、ルーマニア、アルバニア等はソビエト連邦とは距離を置くこととなっていきました。
ベルリンの壁崩壊後は各国で民主化革命が起こり、民族的独立の気運が高まりました。ユーゴスラビアでは連邦構成国の独立紛争が勃発(ユーゴスラビア紛争)し、10年余にわたる内戦状態に至りました。