「5月のバラ祭りは知ってるけど、ブルガリアの冬ってどうなの?」
「やっぱり寒いの?冬に特別な行事はあるの?」
ブルガリアについて知っている方は多いとはいえない上に、ブルガリアの冬について知っている方はほとんどいらっしゃらないはず。でも ブルガリアの冬にも注目すべきものがたくさんある のです。
そんな想いから2019年2月2日、今回は「ブルガリアの冬セミナー」という、日本では恐らく初となるブルガリアの冬に焦点を当てたイベントを開催いたしました。開催場所としてお借りしたのは駐日ブルガリア大使館。
▲日本とブルガリアにとって2019年は「3つの周年」が重なる年
セミナーはこの3部構成でお届けしました。そしてこの記事では第1部の「クケリ」についてお伝えしていきます。
・幸運のモフモフ妖精「クケリ」をつくろう
まず、参加のお申込みを受け付けるべく事前に募集を行ったところ、その日からなんと3日間で定員の30名に達するという、嬉しい誤算からスタート。
もちろん当日も、多くの方に足をお運びいただきました。
第1部はブルガリアのモフモフ妖精「クケリ」づくり。
クケリとは、ブルガリアの冬のお祭りに登場するモンスターを象ったきぐるみのこと。あるいはそのお祭り自体を意味します。
クケリ祭りはブルガリアの各地で1~3月に開催される伝統的なお祭りで、その内容は 日本でいう「なまはげ」 にとても近いもの。怖いきぐるみを身にまとい、街や家屋の中を練り歩くことで厄を払い幸運を呼び込みます。
そしてそのきぐるみの姿は、とても恐ろしいものから親しみやすいものまで、地域によって千差万別です。今回は下の画像のような、もふもふしてキモカワイイ姿のクケリをモチーフに、羊毛フェルトでオンリーワンのクケリを作ってみました。
▲freesofiatour.com
画像から分かるように、もともとクケリはヤギの毛などを使っているきぐるみなので、そのイメージはワイルドで無機質。我々運営側が今回のクケリづくりで想定していたのは、このイメージをそのままフェルトで具現化するというものでした。
ちなみに作り方を簡単に説明すると、ふわふわの羊毛フェルトを手芸用の針でチクチクと刺していくと繊維が密集していき、徐々に固くなっていきます。これを繰り返して自分の好きな形に成形していきます。
▲手芸針の扱いに気を付けながら小さな女の子も挑戦
そして、ここでまたも嬉しい誤算。
既存の毛むくじゃらイメージにとらわれていた我々と違い、参加者の皆様は自由な思考でオンリーワンのクケリを作り上げていきました。髪の毛を結んでいたり、服を着ていたり、お花をまとっていたり。
あまりにも皆様のオリジナルクケリが素晴らしかったので、予定にはありませんでしたが即興でミニ展覧会を実施。約30体の独創的なクケリに「これカワイイ!」「この発想はなかった」などの感嘆の声が。
最後の仕上げにボールチェーンを装着させて、かばんなどにつけられるようにしました。今回お作りになったクケリと一緒におでかけしていただいて、さらに愛着を深めていただければなと思います。
そしてその愛くるしさを見た他の方が「それなに?」とクケリに興味を示していただけたらもっと嬉しいです。
今回の記事はひとまずここまで。
次回はブルガリア出身の松岡マヤさんにお話しいただいた「冬のブルガリア ほっこり話」についてです。
この記事の担当は…
事務局長を務めております。南東欧地域諸国と日本との架け橋となれるよう、全身全霊熱く活動してまいります。