6月29日(土)、ブルガリア大使館をお借りして「ブルガリアンハーブイベント」を主催いたしました。あまり知られてはいませんが、ブルガリアはハーブの輸出がヨーロッパ1位、世界でも3位のハーブ大国なのです。
後援としてご協力いただきましたのは、駐日ブルガリア大使館と興新物産株式会社の2つの組織。興新物産はブルガリアからハーブを輸入されており、1973年というブルガリアがまだ社会主義だった時代から始まった歴史深い企業です。
駐日ブルガリア大使館の皆様、そして興新物産の皆様に多大なご協力をいただきましたので、この場を借りて御礼申し上げます。
さて、イベントはコストフ大使閣下のご挨拶からスタートです。
大使閣下からのお言葉には、ブルガリアに植生する770種類の植物のうち19%がハーブを含む薬草であること、また年間の収穫量は81,000トンにのぼり、ヨーロッパ2位の輸出量を誇るポーランドでも半分ほど(44,000トン)の収穫量になるという情報が含まれていました。
また、イベント数日前である6月24日には、ブルガリアで広く知られる夏至の伝統的なお祭り『エニオヴデン』が行われます。ハーブとその効用に対して毎年お祝いをするお祭りです。
夏至の日の出頃には太陽からのエネルギーが集中し、この時間より少し前にハーブを収穫するのが最もヒーリング効果の高いタイミングだとブルガリアでは信じられています。
その後、弊協会の事務局長牧野よりブルガリアの概要を、参加者の皆様にプレゼンテーション。
そのあとはいよいよ、興新物産の西川様より「ブルガリアンハーブの収穫・ハーブが手元に届くまで」というタイトルにて、ローズヒップを中心にブルガリアでどうハーブが収穫されていくのかをお伝えいただきました。
西川様のお話によると、ローズヒップの原産地として南米のチリが有名ですが、世界的なローズヒップ人気に供給が追い付かず、ブルガリアが次なる供給国として期待されています。
ローズヒップの収穫現場は現在のところ手作業がほとんど。しかも山に自生している野生のローズヒップがメインだそうです。近年のローズヒップ人気への対応策として、ここ10年でローズヒップ畑が整備されつつあるようです。
そんなローズヒップや、知る人ぞ知るブルガリアの門外不出ハーブ「ムルサルスキー」が我々の手元までどう届くのか、現場の写真を参考にしながら知ることができた貴重な機会でした。
さて、ブルガリアンハーブについての知識をたくさん得ていただいたあと、待ちに待ったハーブティーのテイスティングタイムです。
今回はブルガリア産ハーブティーを3種類ご用意いたしました。
今回もボランティアの学生さんたちにお手伝いいただきました。ありがとうございます!
途中でプロジェクターが作動しなくなるというハプニングがありましたが、それぞれのハーブの効能をご説明。特にムルサルスキーをお試しいただく機会はレアですので、ご参加者の皆様にはお楽しみいただけたかなと思います。
ハーブティーのお供として提供した、エルダーフラワーを使ったお菓子も大好評でした。
最後には皆様にお土産をお持ち帰りいただくために、ブルガリアンハーブを使ったチンキ作りです。
チンキというのは、生薬やハーブの成分をエタノールなどに浸すことで作られる液状の製剤です。難しそうに見えますが作り方はいたって簡単。瓶にハーブを入れてウォッカなどの無臭蒸留アルコール液を注ぐだけです。
ハーブティーでは摂取できない脂溶性の成分も、アルコールに浸けておくことで濃縮エキスとして効率よく摂取することができます。
テイスティングしていただいたローズヒップとリンデンに加え、ポプリにも使えるダマスクローズのつぼみをチンキの材料に追加。ご参加者それぞれが思い思いのハーブチンキをお作りになりました。
お土産といえばもう一つ。興新物産の西川様のご厚意により、ローズジュースが振る舞われました。ローズの香りと甘さを残しつつ飲みやすい美味しいジュースでした。
知られていない魅力がまだまだ多いブルガリア。そのうちの1つが、今回のハーブだったのではないでしょうか。
これを機に、ブルガリアに惹かれる方が増えていただければ幸いです。
事務局長を務めております。南東欧地域諸国と日本との架け橋となれるよう、全身全霊熱く活動してまいります。